ガープス・超人ロック




はじめに

 これは数年前、コンプRPGに載った「ガープス・超人ロック」に大幅な変更・追加を加えたものです。
 「超人ロック」について詳しく知りたい方はこちらへ。


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 「ガープス・超人ロック」を遊ぶには、「ガープス・ベーシック」「ガープス・サイオニクス」が必要です。時代によっては「ガープス・サイバーパンク」も可能です。GMは「ガープス・妖魔夜行」も用意していただく必要があります。
 また、「超人ロック」の世界の文明レベルは「8〜11(時代設定により変動)」です。



第1章 この世界での超能力者
  超能力者の作成
  キャラクターのレベル
  特徴と技能
第2章 超能力
  ヒーリング
  サイコキネシス
  テレパシー
  テレポーテーション
  超能力攻撃
第3章 超能力の応用
  ESPブロック
  ESPバリア
  同調
第4章 超能力工学
  ESPジャマー



第1章 この世界での超能力者


超能力者の作成


    パワー・レベル

 高いパワー・レベルは通常より高価になります。以下のCPを消費しなければなりません。

1〜15  基本獲得CP「×1」
16〜20 基本獲得CP「×3」
21〜25 基本獲得CP「×5」
26〜30 基本獲得CP「×20」
31〜35 基本獲得CP「×50」
36以上は禁止



    超能力の取得限界

 PCが取得できる超能力の数を制限します。系統取得限界は「(知力/5)+1」、単一技能取得限界は「知力/2」になります。



    ガープス・サイオニクスでの禁止事項

 「純粋知性体」「肉体のない脳」「霊体」「念動での直接攻撃」「アンチ・サイ」「アストラル・プロジェクション」は禁止となります。



キャラクターのレベル

 CP総計は(GM次第ですが)250〜350CPが基本です。
 『妖魔夜行』357ページの「未使用CPによる危険の回避」を、1シナリオに付き2回まで使用することができます。
 不利な特徴のCPを最高−40(癖を含めば−45)CPから−60(癖を含めば−65)CPに 変更します。



特徴と技能

   新しい特徴

追加HP……0.5CP/L
 0.5CPを消費するごとに1点のHPを獲得できます。詳しくは「妖魔夜行」119ページを参照。生命力が増えるわけではないことに注意してください。

追加疲労点……3CP/L
 3CPを消費して1レベル獲得するごとに1点の疲労点を受け取れます。回復は、通常通り10分間につき1点です。

   新しい技能

宇宙遊泳(肉体/並)   技能なし値:なし
 宇宙を超能力(念動防御で周囲に空気を固めて)で上手く移動するための技能です。ベーシック234ページの<宇宙服>とは違う技能として扱います。
また、スラスターや〔念動〕で軌道を変えない限り、慣性の法則に逆らって移動することはできません。方向感覚があれば技能修正に+3、平衡感覚の特徴があれば修正に+2が加えられます。





第2章 超能力


超能力の系統と技能


 この世界には、「アンチサイ」と「アストラル・プロジェクション」は存在しません(もしくは、未だ発現させた者がいません)。この2つの系統を獲得することはできません。



   ヒーリング

治癒
 疲労する点数は、回復したダメージと同じになります。
 この世界での〔治癒〕は代謝を促進させることにより回復させるという概念のもとに行われるものなので不治の病はいくらPLが高くても治療できません。
 次の新技能を追加します。

変身     前提条件:〔代謝制御〕〔霊気感知〕14レベル + ヒーリング、テレパシーのPL15以上(またはこの二つの系統の単一技能PL15以上)
 あなたはマトリックスを変化させて、外見だけでなく思考まで他人になりすますことができます。〔霊気感知〕で他人のマトリックスを調べ、一分集中後、〔変身〕判定を行ってください(前もって〔霊気感知〕しておくこともできます。記憶しておけるマトリックスは一人ぶんだけです)。変身している間、本来の精神や記憶は潜在意識下に封印されます。封印は、あらかじめ決めておいた「引き金」 か「目覚まし時計」によって解かれます。また〔霊気感知〕〔目標探知〕〔精神探知〕を行ったとき、その成功度が〔変身〕と〔霊気感知〕の成功度のどちらか低い方よりも大きければ、封印された本来の精神を探し出してしまい、〔変身〕が解除されます。
 ただしこの技能は時代やキャンペーンの性格によりGMが不可にしても構いません。



   サイコキネシス

念動
 念動のパワー・レベル(以下PL)が高いと、きわめて大きな質量が動かせます。PL30を超える1レベルごとに、動かせる質量は2倍になります。つまり、P31で4000Kg、P32で8000Kg、P33で16t、P34で32t、そしてP35で64tとなります。

念動防御
 『サイオニクス』172ページ(超能力の応用)の「他人を防御する」のPLの減少を3から2に変更。



   テレパシー

 PL20を超える1レベルごとにテレパシーの範囲が4倍になります。
 接触しながらテレパシー系技能を使ったときの修正は+2ではなく+8になります。また、テレパシー系の「接触のみ」の限定は−50%になります。



   テレポーテーション

 PL20を超える1レベルごとにテレポートできる距離が4倍になります。
 次の新技能を追加します。

エネルギー吸収ボール      前提条件:〔他者転移〕14レベル + テレポーテーションのPL15以上(または〔他者転移〕の単一技能PL15以上)
 空間を"ひねって"小さなブラックホールのようなものを作り出します。1ターン集中し、判定してください。直径が成功度×10cmの黒い球体が現れます(成功度0なら見えないほどの大きさ)。この時、使用者は1点疲労します。このボールは、あらゆる物理エネルギーを吸収します。ボールに触れたキャラクターは生命力判定(ボールの成功度がマイナス修正)を行い、失敗度と同じ数だけ疲労します。また、〔念動〕でボールを操って(重量は無視します)盾のように使うこともでき、ボールの成功度と同じだけ受動防御が高くなります。ただし、〔念動〕判定に失敗すると自分自身が吸収ボールに触れてしまいます。
 また、〔念動〕でボールを飛ばして攻撃することもできます。その場合、重量は1Kgと考えます。ボールは成功度と同じターン数存在することができますが、一度、何かを吸収すると消滅します。



   超能力攻撃

 『超能力攻撃』は、1つの独立した系統ではありません。あなたが身につけているすべての系統のPL合計が、超能力攻撃のPLになります(単一技能の場合は、PLを1/3に計算してください)。
 超能力者は、精神力を"生のまま"ぶつけて、物理的なダメージを与えることができます。ビジュアル的にはエレクトロキネシスの〔電光〕に似ていますが、より直接的で単純な攻撃です。
 『超能力攻撃』の技能は、超能力者ならば誰でも修得できます。
 この1つの系統ともいえる『超能力攻撃』に増強・限定を組み合わせる場合、全体としてCPが「+」となってはいけません(最大でも+0%まで)。また、必要CPが「−」になった場合でも余分なCPを得ることはできません。

パワー・ビーム
 1ターン集中し、判定してください(修正は〔電光〕と同じ。最大射程はパワーm。半致傷はその半分)。成功すれば超能力の奔流が目標にぶつかります。ダメージは、超能力攻撃のPLを体力にみたてた「振り」の「叩き」ダメージです。ビームを太くして多くの目標を同時に攻撃することも可能で、ダメージは、ビームの幅のヘクス数で割ったものになります。この攻撃は「よけ」ることが可能ですが、物理的障壁(受動防御や防護点、エネルギー吸収ボールの受動防御点は例外)はすべて無効です。
 パワー・ビームを使用すると、1点疲労します。なお、精神力をふりしぼってパワー・ビームを「強化」すると、技能レベル−2と疲労3点につき、パワー・レベルは系統分+単一技能数/2上昇します。

光の剣(サイコ・スピア)
前提条件:パワー・ビーム技能レベル18  +サイコキネシスのPL25以上 + 超能力攻撃のPL130以上 + テレパシーかEKのPL15以上
 超能力のパワーを剣の形に凝縮して振り回すのが光の剣、スピアの形にして投げつけるのがサイコ・スピアです。
 どちらとも1ターン集中し、〔光の剣〕(サイコ・スピアも同じ技能であり、技の名称が異なるだけ)判定をしてください。成功すると、手の中に光の剣(サイコ・スピア)が現れます(3点疲労)。
 サイコ・スピアの場合、それを目標に投げつけるのですが、その判定も〔光の剣〕技能で行います(抜撃10、正確+4、最大射程パワーm。半致傷はその半分)。ダメージは、超能力攻撃の パワー・レベルを体力にみたてた「振り」の「刺し」ダメージです。「よけ」ることしかできず、〔ESPバリア〕でも防げません。今のところ完全に防げることが確認されているのは「ラフノールの鏡」だけです。
 光の剣の場合は、基本的にテレパシーの〔精神剣〕と同じです。光の剣は手から離すと消滅してしまいます。維持には集中は必要ありませんが、10秒ごとに2点ずつ疲労していきます。光の剣は<フォースソード>技能で使う武器です。致傷力は、超能力攻撃のパワー・レベルの1/4を体力とみなした基本致傷力と同じです。もちろんこれも「よけ」ることしかできず、ESPバリアでも防げない ところまでは同じですが、「ラフノールの鏡」で防ぐ以外に、同じ光の剣でなら「受け」ることができます。どちらとも〔パワー・ビーム〕と同じく物理的障壁は無効です。

リング・ビーム    前提条件:パワー・ビーム技能レベル20 + サイコキネシスのPL20以上 + 超能力攻撃のPL120以上 + テレパシーorEKのPL25以上
 超能力のパワーをリング状にして、相手を囲み、徐々に輪を小さくして、捕獲、または破壊するのがリング・ビームです。1ターン集中し、〔リング・ビーム〕技能で判定してください。成功すると超能力攻撃のパワー・レベルを20で割った数(端数切り捨て)のリングが出現します。それを目標に投げつけるのも〔リング・ビーム〕技能で行います(抜撃12、最大射程パワー/2m、半致傷はその半分)。
ダメージは2リングにつき1D6の「切り」ダメージ(1リングなら+1)です。この技は「よけ」(転移防御も「よけ」に属します)ることしかできず、その他のあらゆる「受け」、「止め」(パワー・ビームもラフノールの鏡さえも)はそれに使ったモノを破壊して、かつ目標にダメージを与えます。
 また、一度「よけ」に失敗してリングに捕らえられてしまうと、次のターンの初めに再び使用者は〔リング・ビーム〕判定を行い、成功するとリングは消えず、このターンも継続して目標を攻撃できます。一度捕獲されてしまうともはや普通の「よけ」では回避することができません(リングに周囲を囲まれ、身動きがとれないので)。回避方法は相手を倒す(効果範囲の外に出してもOK)か、〔自己転移〕か、〔転移防御〕に−5の修正を受けてリングの外に脱出するしかありません。
 リング・ビームを使用するとリングの数だけ疲労します。また持続が5秒ごとに1点疲労します。一度リング・ビームで身動きをとれなくすれば、ダメージを与えずに持続することも可能です。その場合は10分ごとに1点疲労かつ1分に1度の判定ですみます。リングの数の調整は減らす分には可能です。




   その他

 エレクトロキネシス、ESP、サイキック・ヴァンパイアに変更はありません。





第3章 超能力の応用


ESPブロック     前提条件:テレパシーのPL10以上
 超人ロックの世界ではアンチサイがない代わりにESPブロックというものがあります。これは自分の一つの超能力技能を使えなくするかわりに『超能力攻撃』PLの1/10mの距離、30度の円錐形の範囲内に捕らえられた超能力者(敵、味方関係なく)にその技能(一つの超能力者技能)を使うことに修正を与えるものです。効果範囲内にいる者は使用者が使えなくなった技能LVの1/2を−修正として加えられます。
 ESPブロックは同時にいくつでもかけることができます。これを維持するには毎ターン始めに知力チェックを成功させるだけです。これにより、超能力がほとんど使えない戦闘も可能なわけです。
 注意して欲しいのは、ESPブロックのために前提技能がなくなったからといって前提技能を必要とする技能が使えなくなることはないということです。このESPブロックの技能は複雑なため(例)を載せておきます。

(例)ニアは〔自己転移〕20LVを持つ超能力者です。彼は対峙しているツアーが自己転移で逃げられないようにしようと思いました。
 ニアはターンの始めに〔自己転移〕をESPブロックすると宣言します。ニアの『超能力攻撃』PLは93だったので、ニアから前方30度の9mの円錐形がESPブロックの空間(効果範囲)です。ツアーは〔自己転移〕18LVをもっていたのですが範囲内にいたので、自己転移を使用するのに−10(20LV/2)の修正がかかり、〔自己転移〕8LVになってしまいます。また、ニアも〔自己転移〕を使うことはできません。ツアーはその後逃げることができず、駆けつけた他のキャラクターによって殺されました。

 ESPブロックをかけられたかどうか気づくには直感チェック(知力+鋭敏感覚)に成功しなければなりません。また1回でもESPブロックがかけられた技能を使用すれば結果がどうあれ、ESPブロックの空間にいることがわかります。
 ESPブロックの効果は重複します。


ESPバリア
 あらゆる攻撃(〔光の剣〕と〔リング・ビーム〕、そしてまだ見ぬ強力な技は除く)に対して、全身を包むバリアとして能動防御のかわりに使うことができます。瞬間的に対応できるかの意志判定を行い、成功したら〔パワー・ビーム〕判定を行います。成功すればそのパワー・ビームのダメージぶんだけ、受けるダメージが減少します。
 バリアを使用すると、1点疲労します。なお、精神力をふりしぼって「強化」すると、技能レベル−2と疲労3点につき、パワー・レベルは系統分+単一技能数/2上昇します。


同調
 超能力者は、テレパシーによるゲシュタルト形成を行わなくても、超能力を同調して強化することができます。強化の内容はゲシュタルトを形成したときと同じですが参加者一人ごとに技能レベルが−1される点が異なります。





第4章 超能力工学


ESPジャマー     文明レベル8
超能力者に対抗するため切り札として開発された装置です。ジャマーのパワー×10mの距離、30度の円錐形の範囲内に捕らえられた超能力者は、ジャマーのパワーと同じだけ、全ての系統のパワーが減少します。文明レベル8(ロック初期)では、Eパックで50パワー秒のジャミングを行うことができます。つまり、パワー10なら5秒、パワー5のジャミングなら10秒でEパックを使い果たしてしまうわけです。Eパックは10Kgで付け替えに6秒かかりますが、最初から2個のEパックが装着できるようになっています。文明レベルが1上がるごとに、ジャマーの最大パワーは2倍になり、燃料パックの持続も4倍になります(通常進化より急速に開発が進められた結果です)。
 ESPジャマーは重さ20Kgのスーツケースサイズで、1万ドルです。合法レベルは2、複雑さは複雑です。







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